Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
従来、日本側からは、日本の砂金、漆、絹、太刀、工芸品などを輸出し、宋国からは薬品、香料、陶磁、金襴、図書その他、広汎な文化財が輸入されていたことは、概目、文献にも記載がある。けれど両国の文化水準から見ても、当然、入超数字になったであろうことは明らかだし、その為替決済のバランスを、どう取ったろうかという問題は、ぼくにはまったく疑問だった。
しかし、宋国側で、日本の硫黄を需要していたとなると、その問題は、ほぼ得心がつく。――残る問題は宋船が日本の硫黄を当時、何に使用したかということだけになる。火薬史によれば、西欧での火薬の発明はほぼ一三四〇年ごろとされているから、火薬の製法が宋にはいっていたとするには少し早い。けれど硝石を知ったのは、東洋の方が先だったという説もあるにはある。当夜のおはなしでは、宋朝建築の基礎工事に硫黄の用途があるという解説を聞いたのである。あいにく自分にその方の予備知識が欠けているため、なお研究の課題としている。
諸兄、散会。もう宵過ぎ。
部屋に帰って、ぼんやりときょう中のことを、頭に振り返る。旅行中、五日ほどは、雑記帳へメモも取っていたが、すぐ怠ってしまった。