후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
四百十五人の婦人客のうち三百十六人救われ、百九人の子供の内五十二人溺死している。
貴族、富豪、名士を満載していた。速力、安全、華美、確実、凡ゆる点で最優秀船、海運界の一大進歩、「断じて沈まない船」とされていたタイタニック号だ。それが皮肉な一撃で玉子の殻のように穴があいて海底へ急いだのだ。
「タイタニックは神様の悪戯だった」
こんな言葉が流行った。
その夜の海水の冷たかったことと言ったら、大概の人が水へ這入ると同時に心臓の鼓動が止まった位いである。溺死するより先に皆凍死していた。
この運命を静かに受取った人もある。敢然として死に面した者も尠くなかった。が、多くは互いに争った。獣類のように争った。汽缶の爆破で一片の肉も止めずに飛散した人、下の救命艇へ跳び込もうとして、ボウトの縁へ打っつけたり、海へ落ちたりした者――中には女子供を押し退けて先にボウトへ乗ろうとして、射殺されたのもある。
その何れも死ななくて宜かったのだ。皆助かる筈だった。救命艇さえ規定通りに充分積んでいたら――実にこのタイタニック号事件は、不注意と不熟練に因る大惨劇、世界の航海史に残した拭うことの出来ない大きな汚点だと言われている。