후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
甲板の上に人っ子ひとりいないのである。暴風雨にでも遭って全員本船を捨てたにしては、船の外観は完全過ぎる程完全だ。しかし、呑気な帆船のことだから、この快晴と広い大西洋に安心して、暫時船を流して、乗組員一同船底で昼寝でもしているのかも知れない。その時代の帆船などにはよくあることだったので、デ・グラシア号でそう言い合っているうちに、帆船は漂うように接近して来る。眠っているなら起してやれ、ボイス船長―― Captain Boyce ――の命令で、運転士の Mr. Adams が綱を引いてデ・グラシア号に咆えるような非常警笛が上った。それでも、何ら答えがない許りか、帆船は依然として生色を呈して来ない。ボイス船長は初めて重大な不審を感じて帆船に乗り移って調べてみることになった。急停船したデ・グラシア号から、ボイス船長自身と、Crifton という二等運転士と、二人の船員を乗せた短艇が下ろされた。海面は鏡のように浪一つなかったが、四人は、不気味な予感に襲われながら漕いで行く。疫病船かも知れないし、乗組員の一人が発狂して他を鏖殺し、船中に潜んでいるということもあり得る。