후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
五
五
ここしばらく、京都に滞在している徳川家康の陣営へにわかに目通りをねがってでたのは、梅雪入道であった。
家康は、もうとッくに、甲州北郡の領土へ帰国したものと思っていた穴山が、また途中から引きかえしてきたのは、なにごとかと意外におもって、そくざに、かれを引見した。
梅雪は御前にでて、入道頭をとくいそうにふり立てて、かねて厳探中の伊那丸を捕縛した顛末を、さらに誇張して報告した。さしずめ、その恩賞として、一万石や二万石のご加増はあってしかるべしであろうといわんばかり。
「ふム……そうか」
家康のゆがめた口のあたりに二重の皺がきざまれた。これはいつも、思わしくない感情をあらわすかれの特徴である。
「浜松のご城内へまで潜入して、君のお命をねらった不敵な伊那丸、生かしておきましては、ながく徳川御一門をおびやかし奉るは必定とぞんじまして……」
「待て、待て、わかっておる……」
梅雪はあんがい、いや、大不服である。
あれほど、伊那丸の首に、恩賞のぞみのままの沙汰をふれておきながら、この無愛想な口ぶりはどうだ。
しかし家康は、梅雪がうぬぼれているほど、かれを腹心とは信じていない。