후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
それがために、かれは武士の身分をすてて、この竹生島へ、可愛御堂という六角屋根の建物をたてた。
今日は東の国、あすは西の国と、つぎからつぎへ戦いがあってやまない世の中。――その兵火のたびごとに、武士も死ねば女も死ぬ百姓も死ぬ、まして、たくさんな子供のたましいも犠牲になる。
菊村宮内は、もと柴田勝家の家中でも、重きをなしていた武将であったが、そういう世のありさまをながめると、まことに心がかなしくなった。で、主君の勝家から暇をもらって、いくたの戦場をたずね、やがて竹生島の弁天の社にそって、この可愛御堂を建立した。
「弁財天は母である。そしてわしは不運なおおくの子供たちの慈父になりたい」
こういう願いをもっている。
ところが、さきごろから、琵琶湖の附近にも、戦の黄塵がまきあがった。すなわち、伊勢の滝川一益をうった秀吉が、さらにその余勢をもって、北国の柴田軍と、天下分け目の迎戦をこころみたのである。
不幸な子供の魂をとむらいながら、可愛御堂の堂守で生涯をおわろうと思っていた菊村宮内も、むかしの主人であり、ふるさとの兵である北国勢が、すぐ向う岸の木之本でやぶれ、賤ヶ岳から潰走するありさまを見ると、なんとなく心がいたんで、いっそのこと、島をでてふたたび主君の馬前に立とうかとさえ――ツイさっきも迷ったのである。