후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
久しぶりで甲府という都会のふんいきをかいだ蛾次郎には、さまざまな食べ物の慾望、みたいものや聞きたいものの誘惑、なにを見ても買いたい物、欲しいものだらけであった。だが、やかましやの親方卜斎、つねに小言と拳骨をくださることはやぶさかでないが、なかなか蛾次郎の慾をまんぞくさせる小遣いなどをくれるはずがない。
蛾次郎の不良性は、そこから悪智の芽をふいて、ひとつの手段を思いついた。かれは城下の馬場はずれに立って、皿まわしの大道芸人の口上をまね、れいの竹生島で菊村宮内からもらってきた水独楽の曲廻しをやりだした。ふしぎな独楽の乱舞を、かれの技力かと目をみはる往来の人や行路の閑人が、そこでバラバラと銭や拍手を投げる。――蛾次郎、それをかき集めては、毎日、卜斎の家を留守にして、野天の芝居をみたり買い食いに日を暮らしている。
きょうも、夕方ぢかくなるのを待って、柳のつじの鳥居の下に立ち、竹生島神伝の魔独楽! 水を降らす雨乞独楽! そう叫んで声をからし、半時ばかり人をあつめて、いざ小手しらべは虹渡りの独楽! 見物人は傘のご用心! そんな口上をはりあげて蛾次郎、いよいよ独楽まわしの芸にとりかかろうとしていた。