후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
龍太郎が温情をこめて、不遇な女をなぐさめてやると、小文治もおととしの春、まだ自分が浜名湖の漁師小屋にいて、母の死骸をほうむる費用もなく、舟にそれを乗せて湖水に水葬したことなどを思いうかべて、まだ子をたずねる母、尋ねらるる子は、幸せであるように考えられた。そして、かれもともどもそんな気持をかんでふくめるように話して、女の一途な死を思いとまらせた。
やつれた女房は、感謝の涙にぬれながら、濠端をすごすごと去った。そして、ふたりの慰藉にはげまされて、これからは、まだ四ツのときに、伊勢もうでの道中ではぐれたきりの末の子をさがしだすのを楽しみにします――と誓うように首をさげていいのこした。
「さまざまだなあ、世の中は……」
うしろすがたを見送りながら、ふたりの勇士は、うるんだ眼を見あわせた。
すると、とつぜんうしろのほうから、わすれていた蛾次郎の声がして、そこへ馳けてくるが早いか、
「やい、独楽どろぼう、独楽をかえせ」
と、飛んでもない鼻息で、腕まくりをしてつめよった。
ああ、やっぱりこいつは低能だな。
小文治はそう思って苦笑した。
盲目、蛇に怖じず――人もあろうに戒刀の名人龍太郎と、血色塗りの槍をとって向こうところ敵なき小文治のまえに立って、泥棒よばわり、腕まくりは、にくむべき値うちもない滑稽ごとである。