일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

十四日の日曜は、終日全力を挙げてこの運命の目的地へ急いだ訳だ。午前は一等船客の礼拝、晩餐後、二等船客がサルンに集まって讃美歌を合唱する。

皆聞き慣れた祈祷の文句と歌調を耳に宿して寝に就く。

非道い寒さで、散歩に甲板へ出るどころではなかった。

好奇と感嘆の眼を輝かして、暇に任せて船内隈なく見て廻った船客の誰もが気が付かなかった一つの欠点を、タイタニック号は有っていた。それは、これだけの船でたった二十の救命艇しか積んでいなかった一事である。しかも、そのうち最大のボウトでさえも、僅かに六十人を収容するに足る大きさだった。が、船客の中に、こんな瑣末なことに注意を払う者のないのに不思議はない。この、絶対に沈まない船タイタニック号こそはそれ自身、一つの巨大な救命艇ではないか。一同、文字通り親舟に乗った気でいる。非常時――そんな言葉は、何人の頭脳をも横切らなかった。尚保証の必要があるなら、タイタニックは二重船底である。防水区壁と分壁の設備は完全以上に完全だ。ほんとから言うと、救命艇など一隻も要らないのだが――実際このタイタニックが救命艇などというものを載んでいることだけで、一部の人の眼には、猫を笑わせるに足る莫迦ばかしいことに映った――タイタニックにボウトなんて不必要な用心、しかし、これも一つの習慣的儀装であろう。