후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
擦過した氷山は、船橋塔より遙かに高かったと言われている。巨大な海の動物のように、闇黒の中から現れて闇黒へ流れ去ったのだ。
始めエンジンが止まった時、何か鳥渡ぶつかったので損害を受けたか何うか調べるために停船したのだろうと思って、みんな平気だった。
「氷山に衝突したんだそうだ」
「そりゃあ飛んだことだ、氷山の方にね」
寒い甲板で、人々はこんな冗談を言い合って笑った。
「塗り立ての舷側のペンキが剥げたんで、船長泣いてるだろう」
酒場でウイスキイ曹達を煽っている一団から、誰かが高く酒杯を差上げて、
「何? 氷山だって! 有難い。おい、給仕、一っ破片ぶっかいて来て呉れ。此酒へ入れるんだ」
わあっと歓声が上がった。皆タイタニックを信じ切っていてあんな事になろうとは一人として想像もしなかった。
が、船橋上の高級船員の間には、戯談も幻想もない。衝突の際に加えられた力は、一呎当り百万噸と測定されている。意外に浸水が早かった。狼狽していい理由を、幹部達だけは知り抜いていたのだ。
まだ船客が何も報らされずに楽観している時だった。四、五人の石炭夫が狂気のように周章てて甲板へ飛び上って来た。