일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

内気な訪問者らしい。気兼ねしながら、しきりに表ての戸を叩いているのだ。

「何人でしょう、いま頃」

「浮浪人かも知れないよ」ホルトンはナプキンを置いて、椅子をずらした。「おれが出てみよう」

「宜御座んすよ」と細君は起って、「わたしが出ますわ、もしか変な人でしたら、大きな声で呼びますから――」

平和な農村――というのは、詩や絵で言うことで、実際は、当時、手工業から工場制度に移ろうとして、人類の経済生活を根本から揺すぶったいわゆる産業革命時代、その震源地の英吉利である。新発明の機械に職を奪われた失業者の大群が、街道の漂盗と化して、日夜大都会から大都会へと鎖を引くように浮游している。放火、窃盗、押込み、強請などは毎度のことで、この移動人口の流路に沿った民家では真に人心兢々たるものがあった。おまけにこの霧の深い闇夜だ。遠慮ぶかい叩戸に隠れて、何んな狂暴なお客が飛び込まないとも限らない――。

ホルトンのおかみさんは怖なびっくりで玄関の戸をあけた。

濃い煙りのような霧が、白い渦を捲いて流れ込んで来る。

「はい」濡れた夜の空気が冷たく低迷している戸外を透かし見ながら、「はい、何誰?」