후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
ふつう、兵法で十五間以上と定められてある濠が、どっちへまわっても、陸と城との境をへだてている。するといきなり上からヒューッと一団の火が尾をひいて、ふたりのそばに落ちてきた。闇夜の敵影をさぐる投げ松明である。ヒューッ、ヒューッ、とつづけざまにおちてくる光――
「いたッ、犬走りだ」
と頭のうえで声がしたとたんに、光をたよりに、バラバラと、つるべうちに射てきた矢のうなり、――鉄砲のひびき。
「しまった」と龍太郎は伊那丸の身をかばいながら、石垣にそった犬走りを先へさきへとにげのびた。しかし、どこまでいっても陸へでるはずはない。ただむなしく、城のまわりをまわっているのだ。そのうちには、敵の手配はいよいよきびしく固まるであろう。
矢と、鉄砲と、投げ松明は、どこまでも、ふたりの影をおいかけてくる。そのうちに龍太郎は、「あッ」と立ちすくんでしまった。
ゆくての道はとぎれている。見れば目のまえはまっくらな深淵で、ごうーッという水音が、闇のそこに渦まいているようす。ここぞ、城内の水をきって落としてくる水門であったのだ。
矢弾は、ともすると、鬢の毛をかすってくる。前はうずまく深淵、ふたりは、進退きわまった。