후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
二
なぜ? 血を水のごとくに見る荒武者が、やさしい琴の音などにすくまってしまったのだろうか。
中にまじっていた卜斎は、そういぶかしく思ったが、それをあやしむ彼自身が、すでに妙な錯覚にとらわれて、疑心暗鬼を眼底にかくしていたことを知らなかった。
ひとりこの時かまわずに、琴の音のする家のほうへかけだしていったのは、蛾次郎であった。
だが、かれの行動は、だれより勇敢といえるだろうか。それは問題としても、蛾次郎が来たままかけぬけていったのは、錯覚などを起すほどこまかな神経を持ちあわせていない証拠にはなる。
(いい間諜が行った)
というふうに一同は遠巻きにしてながめている。
みんなが見ている!
蛾次郎はヤヤ得意のようすだ。
ふりかえってニヤリと笑う。そして小高いところへのぼった。
雅人の住居でもありそうな茅葺の家、筧の水が庭さきにせせらぐ。ここは甲山の奥なので、晩春の花盛夏の花、いちじにあたりをいろどって、拭きこまれた竹の縁、塵もとめずにしずかである。
おくゆかしい萩垣根。そこから蛾次郎、鼻くそをほじりながら、背のびをしてのぞきこんだ。
「あッ、人がいら……」
しかり、人がいる。