후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
「誠に詰まらないことをお訊きして恐縮ですが」ヘンリイ・マンガア老は、擦り消したキャムルに火を点け乍ら、「ダッジの箱型をお所有でしょうか」
「有っております」
事務的な答えだ。三人は、ちらと素速い眼を合わせて、
「御自分で運転なさるんで――?」
「はあ。自分でドライヴしております」
より事務的な返辞である。
「其の自動車は今何処にありますか」
「自動車ですか。車庫にあります」
「何んな塗色ですか」
「黒です」
黒――黒では眼指す車ではない。が、言うまでもなく、あの兇漢の自動車が此の長老の車庫に在る訳はないのだ。お役目に調べていたのが、斯う立派に逆証されて、刑事たちは、これでほっと安心した気持ちだった。同時に、足を使ってやって来て、こうして長老の暇を潰している自分達の立場が顧みられて、些か照れ臭い感じだ。
引き揚げるに如かず――。
「や、何うも、お邪魔しましたです」ペイルソルプは、握手の手を差出して、「お察し下さい。吾れわれ警察の者は始終下らないことで駈けずり廻っております。これも仕事で、あははははは」
「いえ、貴方がたがいらっしゃればこそ、町民は枕を高くして眠られるというものです。