후리가나로 읽는 일본 고전
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
吉川 英治의 源頼朝(みなもとよりとも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 306,118자 · 613화면
五
吉次の仲間がいつも泊る家へ、馬を一頭取りにやったり、腹ごしらえや弁当など作らせている間に、夜立ちのつもりが、いつか夜明けの早立ちぐらいな時刻になっていた。
五
まだ町は暗く、霧が深かった。
吉次は、馬の口輪を取り、女装した牛若は、笠や荷物を鞍につけて、馬の背につかまっていた。
振り仰いで、吉次は、
「女らしく、怖々と、そう、そういう風に、乗っておいでなさい」
と、注意した。
「だいじょうぶだよ、わしは、馬に乗るのは初めてだから、怖そうにしないでも怖いよ」
牛若は云う。
だが吉次は、ゆうべからもうこの少年の少年らしい言葉には、めったに油断をしないことに肚を決めている。――怖いというのはこっちのことと云いたかった。
辻を曲がりしなに、出て来た家の方を振向くと、翠蛾と潮音の姉妹が門に立って見送っていた。まだ夜も明けず、人目もないからいいようなものの、どこで見ている者がないとも限らない――吉次はあわてて、手を振った。
――引っ込め。引っ込め。
というふうに。
あわてて、姉妹の影は、家の中へかくれた。それを牛若は、名残り惜しそうに見ていた。自分の顔についている白粉やら衣裳にしみている止木の香りが、何だか、いつまでも姉妹の白い手に触れているような心地を揺らがせてならなかった。