후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
吉川 英治의 神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 511,765자 · 1011화면
「お! クロだ、クロだ」
かれが血刀を振って、狂喜のこえを空になげると、クロはしずかにおりてきて、小船のはしに、翼をやすめた。
「ちがいない。やはりクロだった。それにしても、どうして、あの鎖をきったのであろう」
ふと見ると、足に油紙の縒ったのが巻きしめてある。伊那丸はいよいよふしぎな念に打たれながら、いそいで解きひらいてみると、なつかしや、忍剣の文字!
若さま、このてがみが、あなたさまの、お目にふれましたら、若さまのおてがみも、かならず私の手にとどきましょう。忍剣いのちのあらんかぎりは、ふたたびお目にかからずにはおりません。甲斐の山にて。
ハラハラと、とめどない涙を、その数行の文字にはふり落として立ちすくんでいた伊那丸は、いそいで小屋に取ってかえし、今の窮状をかんたんに認めて、かけもどってきた。
夜はほのぼのと、八重の汐路に明けはなれてきた。
見れば、クロはよほど飢えていたらしく、五人の死骸の上を飛びまわって、生々しい血に、舌なめずりをしていた。
同じように、かえし文を、鷲の片足へむすびつけて、それのおわったとき、伊那丸の目のまえに、さらに呪いの悪魔が悠々とかげを見せてきた。