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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

フーラー博士の魔の手

遊撃隊は、青木光線を発射した。

青白い光線が、電光のように『荒鷲』をおそった。だが、くやしいではないか。光がみじかく弱くて、『荒鷲』をうち落すことが出来ないのだ。

『荒鷲』は、遊撃隊を、さもさも軽蔑するように、爆弾を落そうともせず、低い雲の間をだまってとんでいる。エンジンの音が、ちっとも聞えない。

木下大佐は、三宅参謀の方をふりむいて、

「おい、『荒鷲』は、ちっとも音を立てないじゃないか。」

「はい、フーラーは、とうとう無声推進機をこしらえたのでしょう。」

「ふーむ。恐しい男だなあ。」

さすが武勇の木下大佐も、怪物フーラー博士の恐しい力には、ぞっとした。

フーラー博士の魔の手

『荒鷲』は、遊撃隊の弾をさけながら、また発火信号をはじめた。

「遊撃隊に告ぐ。武田博士よ。勝負は僕のものときまった。降伏せよ。降伏して僕の弟子となれ。」

青白い信号の火が消えると、『荒鷲』のすがたは、急に、かけ消すように見えなくなった。

探照灯で追っかけたが、見えるものは、ただ黒い黒い雲ばかり。

「ひどい奴だ。降伏しろなんて、日本海軍を侮辱しているぞ。」

小川中佐は塙団右衛門のような顔を、いよいよこわくした。