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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

どうだ、降参しないか。」

博士のにくにくしい声は、遊撃隊三千の勇士の血をわき立たせた。

ああ悪魔の毒ガスにたおれるのも運命だ。ただ、われ等の惜しむのは帝国海軍の名誉である。日本海軍の汚のない歴史である。見苦しい最期はとげたくない。卑怯なまねはしたくない。

「最後の一秒まで奮戦せよ。」

『最上』は悲しい信号灯をかかげた。防毒面をかぶり、防毒外套をかぶって、わが三千人の勇士は、最後の奮闘をはじめた。

弾はさけび、光線はひらめいた。

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんも、防毒面に顔をかくし、手袋をはめた手は、消毒ポンプの筒さきを、しっかりと、にぎりしめている。

「ああ大神さま、どうぞ遊撃隊をお守り下さい。」

防毒ガラスの中の、黒い瞳をかがやかして、空を見上げると、にわかに、さっと雨が降って来た。

「さあ、なげたぞ。毒の雨だ。毒の霧だ。防げるものなら防いでみよ。」

フーラー博士の勝ちほこった声がにくらしい。※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、消毒ポンプの筒口をぬいた。

白い霧がさっと吹き出した。

しかし毒の霧は、強い。幽霊のように『最上』