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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
『八島』は百米よりももっと深いところへ沈んでいるのだ。だから、頭のま上で爆雷が破裂しても、四十米も離れているから、ひびが入るほどひびいて来ないわけである。
しかし、『八島』は本多鋼鉄でこしらえた艦ではない。その鋼は『最上』なんかよりは、弱いのだ。深い深い海の底では、水の重さに圧されて殻(潜水艦の胴体)が、みしりみしりと変な音を立てる。
そして、どこからか、ぽとぽとと水がもってくる。むし暑い、にごった空気が、呼吸を苦しくする。
そのうちに、爆雷のひびきがだんだん強くなり、ごォーッごォーッと、耳のすぐ近くで聞え出した。そのたびに『八島』はぐらぐらとゆさぶられる。
「司令官、敵の爆雷は八十米近くで破裂していますよ。」
柴田少佐が眉毛をしかめた。
敵の駆逐艦は、すごい爆雷を持ち出したらしい。動くと音を聞き出されるから危いし、じっとかくれていても危い。
「いまいましいなあ。」
青木大佐がぎょろりとした眼をむいて、上をにらんだ時、どどどどどどどどと地ひびきがして、『八島』はぐらぐらとかたむいた。すぐ近くで爆雷が破裂したのだ。
キキキキ……、鋼が悲鳴をあげて、鋲がゆるんだ。