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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

紅玉要塞の大火事

海行かば水づく屍――こうして『八島』七十人の勇士は、永遠に太平洋の水底に眠ることになったのだ。

勇士の墓場の上では、十八隻のA国駆逐艦が、猟犬のように入りみだれて、走りまわっている。

金剛石岬の上へ、三日月が、ぼんやりと上って来た。

紅玉要塞の大火事

悲しい悲しい『八島』の最期。せっかく敵陣へ一番乗をしたのに、無念や人食鮫の餌食になってしまった。

しかし、青木大佐以下七十人の勇士よ。おん身らの仇は、関矢一郎のひきいるラノン海賊が、立派に討っているのだ。

ああもしも、青木大佐の魂が、紅玉島要塞司令官ハリガン中将の、『かき置』を見たら、きっと、にっこりとわらって、心安らかに墓場に、眠ることができるだろう。

ハリガン中将の『かき置』は、A国陸軍省の金庫の奥深く入れられているが、それにはつぎのような言葉がしるされてある。

「今夜、わが紅玉島要塞は、日本潜水艦に攻められた。火薬庫に二十糎砲弾が命中して、火事が起った。

しかし、わが駆逐艦は奮戦して、爆雷の総攻撃をやり、敵を追いはらったのだ。

敵が逃げたので、われ等は油断した。

将校は倶楽部で夜のふけるのも知らずに踊をおどるし、兵士は疲れてぐっすり寝てしまった。