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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
その時、悪魔のように、しのんで来たのが土人の一隊である。かれ等は金剛石岬の近くへ帆前船を乗りつけた。船の底が浅いから機雷にもひっかからなかったのだ。
大きな刀を抜いた日本人が号令をかけ、土人はわあわあ叫びながら、重油タンクを襲った。ダイナマイトが投げられた。タンクに火がついた。
ああ、こうして恐しい大火事がはじまったのである。火は燃える燃える。
紅玉火山の噴火よりも恐しい火事だ。今や、わが要塞の近くは火の海である。
金剛石砲台に火がついたと、悲しい報告があった。陸軍兵営も燃えている。
今、(午前三時半)この要塞司令部の窓から見ると、海の水に、火のかげがうつってまっ赤である。空も赤々としてまるで夕焼だ。
ああ世界一の紅玉要塞が、今、武器もない土人の手で焼かれているのだ。こんな残念なことがどこにあるだろうか。本官の胸は口惜しさで一ぱいだ。
もちろん、わが勇敢な守備隊はぼんやりしていない。土人と戦ってかれ等をみな殺しにした。頭らしい日本人も、傷ついたところをつかまえて、銃殺したのである。彼は大胆な男で、銃の前に立っても、最後まで顔の色をかえなかった。