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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
09 一九四二年(昭和十七年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,952 字 · 130 页
から見ればいくらかききめが見えています。今も太郎が学校から帰って来て食堂でウェーウェーとやっていて、小チャイ叔母ちゃんは「お土蔵へ入れて来るから一寸待って」と云いましたが、やがて「面倒くさい」と云って中止しました。どう云うビタミンがこう云う腰抜け小僧にきくでしょうか。
日本評論社の本は承知致しました。本当にこれからはますます主婦が知って置かなければならない知識ですから必ず島田へも送ります。先達て島田からお見舞の手紙とお金とを戴きました。それでも家で養生していられるので、お母さんもいくらか御安心下さっています。
ビタスのことはすぐ取はからいます。
メリメ全集は葉書にも書いたように、第一巻が欠本ですが、第二巻は、ではお送りしましょう。バルザックは家に全集が一冊もなくて、何とかして手に入れたい心持でいた処でした。どんな都合にゆくでしょうか。私も「幻滅」は是非よみたくて居りますが、河出につとめている人にきいて、算段してもらいましょう。スタンダールは「赤と黒」は不許でした。「パルムの僧院」「恋愛論」等、ちりぢりにありますが、選集は家には有りません。サンドのものは割合に訳されているものは集っています。