轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
09 一九四二年(昭和十七年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,952 字 · 130 页
十二月三日
ペンさんが昨日は非常召集で病院へまで行ってくれ、生れた子もよく見てきてくれました。「この子は本当に、生れた時から知っているんだから」と大えばりです。この人には一家のなかの死に損ないから誕生まで、何やらかやらと厄介をかけます。今日は木枯らしが吹いているけれど、風邪お大事に。
十一月二十五日
十二月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
十二月三日
今日は珍らしい報知を致します。泰子が昨夜の十二時から今日の昼までたっぷり十二時間眠ってうち中をアッと言わせました、何年にもないことです。この間中は一時間、二時間おきに起きてないて、私は全くグロッキーになり、一昨日は病人となりました。手つだいの人達が気の毒に思って自分達の方へ寝かしてくれ、一晩でかぶとを脱ぎ、昨晩は、さてこれから一合戦と覚悟をきめていたら、思いもかけず眠り通して六時半の太郎の目覚ましで、私も起きた時には思わず床の上に坐って、しげしげと泰子の寝顔を眺めました。せめて五時間でも続けて毎晩ねられればいいのにね、と。可哀相に。泰子も出産の時、圧迫によって脳に出血したらしくて、その為こういう有様ですから小さい体のなかに正常に伸びる力とそれに伴わない神経の萎縮があるから絶えず不安で困るのでしょう。