轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
おれは、なにも知らん。それは、どうで、後でわかろう。じゃが、おれがさせたように思われたのは、おれの不徳のいたすところじゃ。どんなことか知らんが、子分がしたことなら、おれが謝る。すまん。いずれ、正式に挨拶はするが、勘弁してくれ」
吉田は、そういって、軽く、頭を下げた。
金五郎は、気抜けがした。瞬時、ぽかんとなった。次第に、赤面する気持になって来て、座にいるのが、苦痛になった。
「失礼いたしました。それだけ、申しあげれば、用はすみましたとです」
吉田が、両手をあげて、
「まあ、玉井君、ちょっと待て。まだ、話が……」
と、とめたが、逃げるように、廊下に出た。すたすたと、入って来たときの落ちついた足どりとはちがった、狼狽の歩調で、客人たちのいぶかる中を、表玄関に出た。
(おれの馬鹿)
軽率が悔まれた。よく事情も糺さず、一途に、思いつめて行動したのだが、若さから来る客気の頼りなさを、したたかに、思い知らされた。
(こんなことでは、駄目じゃ)
そう自省する反面、とりかえしのつかぬことをしてしまったような悔恨と、焦躁とが、はげしく、金五郎を苛んだ。
「そそっかしくて、早合点しました。