轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まと

魔都

久生 十蘭

「新青年」博文館、1937(昭和12)年10月~1938(昭和13)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 293,999 字 · 578 页

青空文庫

「貴様は何だ。……なんでこんなところをうろうろする」

と叱※(「口+它」、第3水準1-14-88)した。読者諸君は御存知でしょう。今朝、鳴く筈もない鶴が鳴いたのは、てっきり幸田らが何か鶴の中へ仕掛けをしたという警視総監の見込みで、いずれ明朝鶴を分解してそのカラクリを引出し、今度こそは有無をいわさずに幸田の首根っ子を押えてやろうという大へんな意気込みで、幸田に仕掛を取出されないように、そのため張番させてある私服たちだったのである。

加十はひと眼でそれと見てとった。しかもこの二人は毎日警視庁で顔を合わす馴染の連中で、今こそ附け髯をつけているからいいが、もしここから引き立てられでもしたら、一ぺんに化けの皮を剥がされてしまうから、例によって皇帝の威力で撃退するほかはないと思い、急に身を反らせると、実にもって重々しい声で、

「そういう横柄なもののいい方をするところを見ると、君たちは警察の人なのですね。……職権をもっておたずねになるならばいかにもお答えしましょう。驚いてはいけない、……私は当時帝国ホテルに滞留している安南国皇帝宗竜王です。……して、私を引き留めになられた理由は!」