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やまうらきよまろ

山浦清麿

吉川 英治

「講談倶楽部 臨時増刊」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,573 字 · 91 页

青空文庫

――と、そういった趣旨の計画なのである。

『どうじゃな、貴様の心底は』

清音は、彼の為に、又とない機会と、この企てを、欣んでいうのであった。

『結構です』

『結構だけでは心もとない。この企てには、責任があるぞ』

『やります』

『万一の儀があると、発起人、世話人など、連名していただく方々のお顔に、泥を塗る事になるぞよ』

『はい』

『――と、まあ、わしの老婆心じゃ。然し、そちの技倆も、加藤殿のようなお目利が、認めて下さるように迄なって、わしも共々欣ばしい』

『皆、御高恩による所でございます』

『何の、そちの天質と努力のいたす所。今日となっては、もうそれを世に問うて見るも早くはなかろう。滅多にそこらのお天狗な刀鍛冶たちに負けはとるまい。この上とも、精進一途に、大を成すように心懸けい。それには、身も慎んでな。――よいか』

『……はい、はい。分りましてござります』

清音の愛は、師恩を超えていた。情誼に感じやすい彼はすぐ涙になってしまう。誓っていい刀を鍛って酬おうと思った。酒も慎しみ、女も断ち、あらゆる慾望や誘惑にも打ち克って――と、胸のうちで、繰返して念じた。

それから間もなく、「武器講百刀会」