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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
十月二十九日
朝、島氏来、神田の工場、家全焼、少し神経質に見えた。
仕事すすみ、十一枚、但、始め軽く考えて居たのとは違って進んだので、考をなおさなければならない。神々が天上で只号令をかけたのではすみそうもない。ギリシア式に、神々も出動するらしい。
『太陽』の仕事を受けた。いそがし。
十月二十九日(月曜)
仕事、五六枚行く。きのうよりむずかし。先の目当がつき、たのもし、すっかりで二十五六枚になろう。
明日ですませ(一通りでも)三十一日から、救護団のパンフレットを書き始め、「スーラーブ」すっかりまとめてしまいたし。
「スーラーブ」で自分が後半気に入らないのは妙に心につっこみが足りないからであった。今度はやり易かろう。
十五日後から、『太陽』へのをまとめる。
一昨日切った庭のバラ、昨夜の美しい半開の姿と色とは言葉にあらわせなかった。今日はやや開きすぎ白っぽく疲れて見える、剪った花にもあんな命がこもって居るのだ。
夜、一寸さいと町へ歩きに出かける。夏の頃、散歩の人は小ぎれいで誰も美しく見えたが、この頃はみなじじむさい傾向。
――○――
見て居ると命のしずかな絶えない流れを感じる。