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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
十月十四日
十月十四日(日曜)
夜、二人で吉田さんのところに行く。星野さんもやけ出され、もう一人の人と来て居るので四人の彼女等の所謂ヤング maid が集って居る。丁度横浜に居て、家はつぶれたが、髪の末も梁に触らなかったと云う女の人、子供良人とともに来て居、五寸も家が地面からとび上った話をする。ひどい有様であったらしい。
横浜、鎌倉は上下動であった。そのとき、Miss Wells が話したが、房州と、大島との間に「後家場」と称するところがある。安政の大地震のその日、二百幾人かの漁師が、その地点で大漁をして居る最中、海岸から見ると大島の方に、非常な火柱が海中から上った。何事と思って居るうちに、地震になって来た。大島の方から見ると、房州の浜に見え、丁度その漁師の居た地点で海中爆破があったらしい。もう舟はかえって来ず、一時に多くの後家が出来た。後伝説として、そこで漁をしなかった。が、九月一日、冒険ずきの一隊がそこに舟をとめ、食事をして居ると前方に、大火柱が立ったので、驚きあわてて、漁そっちのけでこぎかえったら、あの大地震であったと云う。「後家場」の話。
十月十六日(火曜)