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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
六月二十一日
六月二十二日
六月二十三日
六月二十五日
七月六日
七月七日
七月八日
自分は、よいわるいを絶した人間の心に打れる。従って、近頃婦人の書く人の一部にはやるように、簡単に、片方にきめられず、彼方此方から見、考え、同感することになる。その間から、人間の、絶えない、ある望み、生活意志、神の美と力とを示して行こうとするのだ。
六月二十一日(木曜)〔予記〕「スーラーブ」
六月二十二日(金曜)〔予記〕「スーラーブ」
六月二十三日(土曜)〔予記〕 〃
六月二十五日(月曜)
林町へ来る。やかましくて、仕事が出来ないから。
七月六日(金曜)
意外にはかどり、「スーラーブ」九をすっかりすます。
七月七日(土曜)
時候が妙に寒くなった故か、腹をこわし、ひどく下痢し、仕事出来ず。
七月八日(日曜)曇
起きて食堂に行くと、新聞を見て居た母上が、「有島武郎さんが心中した」と云う。愕きに打れ、新聞を見、彼が六月下旬に軽井沢の別荘に或婦人と行き、死んで居たのをつい昨日になって発見したと云う。ことを知った。
感に打れ、自分は云う言葉を知らなかった。彼が「星座」、否、「或女」を書いた頃から作品の上にもあらわれて居た或変化、近頃書けなかったこと、人生と云うものに対する深刻な苦しみ等、余程のことがあったと思い、人間の生活の恐ろしさに圧せられた。