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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
十二月二十七日
――○――
夜、皆で青山の通りを散歩し、佐藤氏の『都会の憂鬱』、光太郎訳ベルハーラン、春夫『一九二二年の詩文集』等を買う。
十二月二十七日(木曜)晴
『朝日』の記者が来る前号外号外と外をよび歩き玄関に投入して行ったのは知って居たが放って置いた。夕食のとき、議会開院式にお出かけの摂政宮が虎の門のところで狙撃されたが無事と云うことをきき、愕然とした。
日本も斯うなったかと云う感。又、自分の心には若い熱心な Prince に同情があるから、憤おろしい気もした。何にしろ日本が始ってから始めてのことだ。今年は大きな事が日本国民の上にふりかかった一年だ。最後にこれは、最も重大な現象と云える。私の心持では、日本などはまだまだ壊つべきものにせっせと目をつけるより、若いジェネレーションが、もっともっと賢く深刻になるべき心持を要する時代と思う。撃ったものは、本当の思想は持たない中岡艮一式の若者ではないのか。そうだろう。そうだろうときめて片をつけるのはやさしいが、そう云う種類の人間が、ああ云う人に対して dare to do になったと云うところに根底的の考えるべきことがある。