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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
急に思いついて、水からとり出し、小さい鋏で、チョキチョキとその穢い腐ったようなものを嵌みとって見た。案の定、すぐ下から、鮮やかな緑色が見え出した。此をくれた西村氏も、此那ことをしろとはいわれなかった。どんな植物の本にも書いてない手当の方法だろう。さいと二人で笑い乍ら試して見た。私の常識で行くと、今までの状態が悪くて、不幸に此丈の死物を出してしまった。それ等が外囲の、栄養をとるべき第一の門にあっては、生きるべきものも生きられまい。切って、活々した細胞を、空気と光に当てたら、新しい生活を始めるだろうと云う結論になったのである。少し、斑まだら乍ら、青々とした毬藻を、水の上から覗き、硝子の外から透して見て、私は、稍々すがすがしい心持になれた。一時の、目先きの変化でないように切望する。
後、読みかけの、「母性の復興」を読み始める。著者が、現代の、学校生活万能的傾向を排して居るのは、自分も同感である。自分が僅か五ヵ月経験したコロンビアの寄宿舎生活の不快さが、充分それを、少くとも私には証明して居る。
均等主義も、人性の深刻な淘冶の点から云うと、大きな問題である。