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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
十二月二十六日
林町の方は、美味さ、不美味さを云い、ときに口やかましいほど各々が発表的だ。そして却って軽く、心持にしみ込んだところは少い。
十二月二十六日(水曜)晴
午前中一寸英国の Days Ltd. に本の注文を打ちかけ、一時頃三宅さんのところに行く。伊藤さんぎり。三人で喋り、お茶をのみして居るうちに、金子、西川氏来。
伊藤さんは、自分ほど面白いものがない、自分の話ばかりする、と云う。(彼女自身が)
三宅さんのところに居る変な男のことを話す。彼女は、まるで無邪気らしいが、ひどく無神経なところと下びたところがあり、すっぽこに絹の袷をきたり、裾から赤メリンス無地の長襦袢などを出してぞべぞべして居るところがある。あの男を家族と同じ炬燵に当らせ、自分の鏡のあるところに居される等、私の気持でさっぱりしないことを、只感じなくして居るのだ。彼女が、自分を多情と云った人があると云って居たが、そうだろう。そう見られ得る。それで居て事実私が手をとっても意味を尋ねたそうな顔をする。
まるで暖か。ことしの冬は例年にない暖かだそうだ。Aの話では、今頃とれなかったサバが海でとれブリがあまりないよし。