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にっき

日記

宮本 百合子

09 一九二三年(大正十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页

青空文庫

六月六日

六月七日

六月六日(水曜)晴〔予記〕Mr. & Mrs. Perrce を横浜へ送ること。夜、帝劇を見ること。(玄文社の用)

横浜に行くのはやめ。A一人でゆく。彼のすることは何でも、自分の気がすむように、と云うところまでゆかない。先方が此だけしたのに対し、自分は此だけしたのだから充分だ、と云う考え。友達に対し、ほんとうに集って時を忘れ話したいと云うような愛がなく皆或境界線を作って居るから、しんの親友と云うものはないのだ。A、学校から持って来た賀川春子氏の女中、女工生活記をよむ。あれ丈、いやみなく、率直に書いてあるのは、彼女の信仰の力によって来るものか、つまらない小説家などのものよりずっと純粋で心持よく読めた。境遇でそう云う生活はしても、敏感なところがあったのだと思う。夜帝劇、古田中さんの夫人に会う、かえりの電車の中で、本野未亡人に会う。二三日なかなかあつく単衣で汗をしぼるほど。

六月七日(木曜)晴

○動物の生活には、人間の常識で考えられないことが多くある。今朝、才が、一匹金魚を、大きな二匹でしきりに追い廻して居るのに心づき多分病気なのを労って泳がせようとして居るのかと思ったら、そうでなく、いじめ、只さえ弱ったのを瀕死にしたと。