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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
六月十三日
六月十四日
為に疲れたのか、少し意地わるで、親切は判るが、如何うハンドルしてよいか判らないと云うような心持がした。夜、九時頃床につこうとして居たら思いがけず京城の今村氏、アメリカに立つと云って来。十二時になった。紀平さんの「認識論」をよむ。「実践理性批判」の前には、「純粋理性批判」がよまれなければならず、その前には、基礎的な二三の哲学的書籍のよまれる必要を感じた、ああ云う書物は仕事(自分の)をするに頭を細かく落つけてよろし。
六月十三日(水曜)曇
昨日ラフィヨフ氏来られなかった為、今夜来。才、お菓子を買いにゆくと云うので頭が疲れて居るから、一緒に五丁目迄行った。道路の梧桐が形よく繁り、一丁目の方から五丁目を見渡すと、広い静かな灯かげも多くない道路が弓のように見晴らせ、或感じがあった。
「古きミニエチュア」、やかましいので落筆する気にならず。困る。
「認識論」、少し。李白の詩
六月十四日(木曜)曇
夜早く床に入ることは不可能なことだ、さくやも十二時。
今朝、フト目をさまし思わず耳をそばだて、四辺が案に相異する静けさなので、すっかりうれしくなった。
六畳の方がよろしいらしい。