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にっき
日記
宮本 百合子
09 一九二三年(大正十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,193 字 · 131 页
九月七日
国男の手紙の調子が落付き、自分の体もいたわって居るのが知れて安心。地震は大船のステーションで会い、プラットフォームに居たら死んで居たところであったのだ。
笹川春雄氏、来。父上が二日に事務所に行かれた時の話、死体が神田辺の通にまでころがって居たとのこと。たまらず。
A、早朝、徒歩で青山にかえる、三時間。
――○――
林町は大瀧一家族、本田、田舎から来たもの、吉川さん、前の交番への炊き出し、三十人分以上なので、米を用心しなければならず、勘定して、大体、三週間は持つ予定。食事は、飯、汁、つけものだけ。水道出ず、瓦斯出ず。手を洗うのにも一人で水をすてず。
野上さん、関さんに安否をきいてやる。無事の由うれし。
九月七日(金曜)
A、午後一時頃来、
青山は壁が落ちたぎりで無事であった由。地震のとき、さい驚き慌てて門外に逃げ、フェイントして倒れて居たところを、鈴木と云う人に助けられ、ブランデーか何かを与えられて我に還った由。可哀そうに。予期しなかったことと云え憐れだ。
自分まだ疲れぬけないので、A一人、かんづめ類半分を背負ってかえる。
英男亢奮して居、いくら眠れと云っても眠れず。