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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
戦終れり
「お父さん、僕です。アーサーです。」
泣きぬれた手で、少年は、父にすがりついた。
「うう……」
フーラー博士は、唇をぶるぶるとふるわしたが、もう、ものをいう力がない。ぐったりとなって、武田博士の胸の中へくずれかかった。
信天翁が不吉な声を立てて、狼岩の上で舞い狂っている。
ああ、絶海の孤島に死んだフーラー博士の魂は、今宵からいずくを迷いさまようのだろうか。
清少年は、心から、この偉大なる敵の最期を弔ったのである。
戦終れり
清少年が『荒鷲』に向って射った砲弾は、太平洋戦争の、最後の一弾であった。
海軍が全滅し、『ライオン』戦車隊、『荒鷲』爆撃隊が負けてしまった上に、フーラー博士さえ失ったA国は、もはや戦をつづけるだけの勇気がない。
紅玉島の無線電信局が、東京に向って、『休戦』を乞うて来た。ぐずぐずしていると、『富士』に攻めほろぼされると思って、おびえたのだろう。
A国が降伏して間もなく、B国の艦隊も南洋から遠くへ去ってしまった。旗艦『ドラゴン』以下百五十隻の大艦隊が、カムデン島を後にして、すごすごと水平線の向うへ、遠ざかり行く姿を見て、わが遊撃隊『千代田』