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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
09 一九四二年(昭和十七年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,952 字 · 130 页
九月六日
これらは皆お下りを読んでもらうのが楽しみなものたちですからおすみになったらどうぞ。下すったタオルはおばあさんのくれた台の上にかけて床のわきに置いて眺めています。中々きれいで且シャレています。タオルとはみえません。上でこの葉書を書き、ひどい風が外で吹き荒れて私は気分が悪くソボリンをのんで、はいが一匹その箱にとまっています。
九月六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
九月六日夜
本当にね、仰云る通り二枚以内に致しましょう。この間、自分でもいくらか考え付いたことでした。それに面白いことは、この四、五日、全体として進歩しながら、またこれ迄にない疲れが出ていて、体中の筋肉がしこって、腕など髪をとかすさえ痛い程なので、お医者の紹介でマッサージを頼んだところ、その女の人の云うには、体中びっくりする程凝っているそうです。七回ほどでだいぶ良くなるだろうとのことです。夢中の間に筋肉が緊張していたのだそうで、それが今になって疲れとして感じられて来たのだそうです。つまりやっと其処迄病的な条件が収まって来たことの証拠だそうです。これにつけても頭の内のことが怖くなってね。