轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

「そういえば」と、諸式屋は、なにか思いついたように、「マンさんは、玉井さんと夫婦になるそうじゃねえ?」

「誰が、そんなこと、いうの?」

「玉井さんが、話しよったばい」

「馬鹿にしとるわ。あっちこっち、自分でいいふちしとるのね。ボーシンさんからも、聞いたわ。……フン、自分で勝手にきめたって、あたしの知ったことか」

「そげんこつかい? わしゃ、また、もう、話しあいでも、出来ちょるのか、と思うとったに。それで、二人が夫婦になったら、どっちもはげしかけん、オンピン・メンピンが出来るなんて、思うちょった」

「あたし、仲仕の女房になんか、なる気はないのよ。ほかに、いろいろ、考えとることがあるの。それに、まだ、結婚したいなんて、思うたこともない」

「早うはないがなあ……」

「早い、おそい、じゃないとです」

静かな秋の海に、糸をたれて、魚のかかるのを待ちながら、「なんでも屋」は、横目で、ときどきマンを見る。

飾りけのない手甲脚絆の仕事衣は、マンを、キリッと、甲斐々々しく見せる。そして、若さの内部に充実している、なにかの力が、マンに溌剌としたかがやきをあたえている。そのマンが、煙管で煙草を吸う手つきや、その味を心から楽しんでいる頬のふくらみと、眼のいろに、不思議な色気がある。