轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

「大庭の親分さんが?……」

「聯合組の提灯を持った人が、桟橋のところに居るもんじゃから、誰かと思うたら、大庭の親分でした」

「そら、いかん」

マンは、急に、びっくりしたように、立ちあがった。

「酒が来たら、弁当といっしょに、俊ちゃんに持たせてやって下さいな」

永田ヨネに、そう、いい置いて、あわてふためいた様子で、表に駈けだした。右手に、永田組名入りの弓張提灯を持っていた。

冷えきった秋の夜気が、手をさしこむように、懐に飛びこんで来た。月がぼうと霞んでいる。マンは、左手で襟元をかきあわせ、その腕で、乳房の盛りあがっている胸をおさえて、急いだ。

夜泣きうどんの「当り矢」の横を、通った。

「玉井のごりょん、こないだは、ありがとう。熱いのを一杯、どうな?」

そんな「当り矢」の言葉も聞きすてて、一層、歩度を伸ばした。

停車場の裏手に当る狭い路地の奥に、永田杢次の妾宅があった。格子戸を、どんどんと、叩いた。

「電報、電報」

赤い長襦袢姿のおサクがあらわれた。髪がみだれている。

「永田の親方に、すぐ、あたしといっしょに帰るように、いうて下さい。パナマ丸の仕事を心配なさって、大庭の大親方まで、出張っていなさる。