轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
すると、腹立ちまぎれ、危険な考えが、頭をもたげる。
(四年前、お京とはじめて逢った道後の「四国屋」、そこへ、お京と二人で、行ってやろか。そして、右腕へ、降り龍を彫ってもらい、いっそ、ええ仲になってやろか)
近所の人たちが、訊く。
「このごろ、ごりょんさんを見かけんようですが、どげえしましたか?」
「広島の両親が悪いちゅうもんじゃけ、見舞にやりました」
そう答えれば、日ごろの仲のよさを知っているので、疑う者はなかった。誰も、途轍もない夫婦喧嘩をした揚句、マンが飛びだしたことなど、知る者はない。
「中学生」の俊次は、
「旭座の芝居を、観につれて行ってくれると、約束しとったのに……」
と、ふくれ面をしている。
子分連中は、一日だけで、家事をやることに、へこたれてしまった。マンのいなくなった当日は、面白半分、大騒ぎをして、八人分業でやってみたが、食事をすましたあと、大事業のあることを知った。
「食う支度をすることより、後かたづけが、大事じゃのう」
八人で食い散らした食卓の残骸を見て、うんざりした顔を、つきあわせるのである。残り物は、猫にやっても、よごれた茶碗、皿、鍋、釜、箸などを洗うことは、つまらなくて、大儀千万であった。