轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

金五郎は尻まくりし、瓢箪池の中に入って、手網で、金魚をすくっていた。大きな盥のなかに、鯉、鮒、亀、などが、池から移されている。池の水を換えるつもりらしい。ぽかぽかと日あたりのよい縁側に、猫が四五匹、雪見燈籠の笠のうえに、鳥籠があって、二羽の眼白がしきりに鳴いている。

原田は、金五郎が頭に繃帯をしているのを見て、

「どげんなさったな?」

「昨夜、火事場で、転げてなあ」

「へえエ、昨夜は玉井家の厄日たい。勝則君も、ごりょんも、転けたといいよった。親子三人揃うてこけるちゅうのは珍しか」

「転げたくらいですんで、よかっちょる。君も転げんごと気をつけるがええばい」

「わたしは、こう見えてもなかなか転げん。転げたときには、ただでは起きんたい」

原田は豪放に笑って、縁に坐ったが、二人の話には、焦点のあわぬところがあった。

「玉井さん」

「あん?」

「昨夜の火事なあ、ありゃあ、東京の吉田本部から、命令が出ちょるにちがわんばい」

「さあ? 吉田大親分がそこまではやるまいなあ。わたしは、吉田さんも、友田喜造も、直接には関係のない、小者連中の策動と睨んどる。……というても、結局は同じことになるが、……」