轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
を、光丸と踊った芸者にちがいなかった。先刻から、はぐらかされてばかりいるのがおかしくなって、
「ああ、あなた、妻太郎さんなのね」
と、なにか軽い気持になって、いった。
「いいえ、ちがいます」
女の顔に、また、妖しい微笑が浮かんだ。
「そんなら、どなた?」
マンは、狐につままれた面持である。
「お京は、あたしの母です。あたしは、葉子と申します」
「お京さんの娘さん?……」
マンは、おどろいて、相手の顔を見なおした。
「十郎さん」
葉子はふりかえって、暗闇に向かって、声をかけた。
「なんだい? お葉さん」
その声と同時に、大榎のかげから、懐手をした鳥打帽の巨漢があらわれた。
「もう、ここは、いいわ」
「そうかい。そんなら、会場の方に行ってるから……」
「抜からないでね」
「心配しなさんな」
男は雪駄の音を急がせて、池にかけられた石橋を渡って行った。また、公会堂に行くらしい。
「あれは、どなた?」
「用心棒です」
「あなたの?」
「いいえ、あなたの旦那さまの」
マンは、わけがわからないので、ちょっと、言葉が出なかった。
お葉は、マンのきょとんとした顔つきを見て、面白そうに、ころころと笑いながら、