轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

ただ、呆然となっているばかりである。

わかって見ると、こういうことらしい――深夜になって、泥酔した勝則が、「丸金」にやって来た。もう戸を閉めようとしているところであったが、無理に、離れに通った。仲居頭のコヨに、光丸を呼べ、と命じた。コヨが、やめた方がよい、という意味をほのめかすと、非常な剣幕で怒った。と思うと、頼むから呼んでくれ、と哀願したりした。コヨも、遂に、根負けして、光丸を呼んだ、というのであった。

それを聞いて、勝則は、さらに、呆然となる思いだった。自分の潜在意識のなかにあるものが、無意識の間に、なにをしたか? とりとめもない行動の中に、なにを求めようとしたのか?――恐しいことといわなければならない。

(光丸とは、別れた方がよい)

そう悲しく思いさだめたとき、勝則は、人間の不幸と犠牲という問題について、解決が得られなかったのであった。

(もし、無理矢理、二人だけの思いを通そうとすれば、周囲はどうなるか?)

エゴイズムは許されない。恋愛の自由と神聖とが、無要の波瀾と被害とを巻きおこすことによって、多くの人々を不幸に陥れ、巨大な犠牲を足下にふみにじってまでも、あり得るだろうか?――それは、勝則にとっては、耐えがたいことであった。