轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わかむらさき

わか紫

泉 鏡花

「新小説 第十年第一卷」1905(明治38)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,708 字 · 75 页

青空文庫

すぐに出かけたの。

私はお米ばかりのお飯を磨いだり、炊いたりしたの。おじいさんは、甘鯛と、鮪と買って、お酒を提げて戻ったんです。

でも来ないんでしょう。

おじいさんは肱枕をして寝てみたり、いつにない夜延をしたり。

私は崖の上へ立って見ていました。夜中にねえ、いい月の明い道を、大きな外套の裾が風に吹かれながら来たわ。

私もびゅうびゅう海の方へ、袂だの、裾だの吹かれて、高い処に立っていたもんですから、寒かったろうッて、いきなり外套の下へ抱いてくれたの。寒くはなかったんですが、私、嬉しくッて震えたの。

その晩なの、奥様、おかみさんになったんですって。

おじいさんは、その時は何んにも知らなかったんですけれど、あとで今度の相談をしたとき、泣きましたっけ。私も泣いたわ。

しっかりしろ、生命と亭主は二ツなしだ。俺が若い時の、罪障が報ったっぺ、可いわ、娘の支度と婿殿へ引出ものをかねて、一番、宝船を漕いでまかしょ、お正月だ、祝えッて、大酒をのんだんです。

ですから、あの、すっかり船へ積み込んで、人の知らない処につけていますわ。

私が帰って披露を済むと、それからどこかへ漕いで行くんだって待っているんです。