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したやそうわ
下谷叢話
永井 荷風
自序「下谷叢話」春陽堂、1926(大正15)年3月20日<br>第一~第四「女性 第五巻第二号」プラトン社、1924(大正13)年2月1日<br>第五~第十一「女性 第五巻第三号」プラトン社、1924(大正13)年3月1日<br>第十二~第十五「女性 第五巻第四号」プラトン社、1924(大正13)年4月1日<br>第十六~第二十二「女性 第五巻第五号」プラトン社、1924(大正13)年5月1日<br>第二十三~第二十九「女性 第五巻第六号」プラトン社、1924(大正13)年6月1日<br>第三十~第三十五「女性 第六巻第一号」プラトン社、1924(大正13)年7月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,971 字 · 246 页
故中納言様御事殊に御賢明に渡らせられ御学問好ませられ御会読等有之候。末頼母しく存じ奉候処、右様の次第恐入り奉り候御事に御座候へども、別段歎息の至に存じ奉り候。且又国家凶事相続き御経済の程も思ひ遣り痛哭の至に候。箇様の御事老兄等風流才子の面前に開口候御事には之無く候へども、国家の御事と思はず一筆之に及び候。」
この文中「国家の凶事相続き」というのは弘化二年六月に前代の藩主大納言斉荘が世を去り、数年にしてこの度また藩主の逝いたことを言ったのであろう。
「一幽林翁遺稿御写し下され有難く存じ奉候。」
「一阿弟官吉御督責成し下され候様呉々も願上げ候。」
「一詩箋後便迄に社中の者どもに書かせ差上げ申す可く候。万づ後便に申し洩し候。頓首。春道様。四月二十日。藍。」
「春道」とは医を業となした春濤の通称である。
この年の中秋、枕山は遠山雲如、石川艇斎、鷲津毅堂、鈴木松塘、秋場桂園、横山湖山の六人と同遊の約をなしたが、その当夜前約を履んで来り会したものは横山湖山一人のみであった。枕山は「惆悵今年観月社。六人佳約五人空。」〔惆悵タリ今年観月ノ社/六人ノ佳約五人空シ〕と言っているが、湖山の集には「己酉ノ中秋子寿九万ト同ジク墨水ニ遊ブ。