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したやそうわ

下谷叢話

永井 荷風

自序「下谷叢話」春陽堂、1926(大正15)年3月20日<br>第一~第四「女性 第五巻第二号」プラトン社、1924(大正13)年2月1日<br>第五~第十一「女性 第五巻第三号」プラトン社、1924(大正13)年3月1日<br>第十二~第十五「女性 第五巻第四号」プラトン社、1924(大正13)年4月1日<br>第十六~第二十二「女性 第五巻第五号」プラトン社、1924(大正13)年5月1日<br>第二十三~第二十九「女性 第五巻第六号」プラトン社、1924(大正13)年6月1日<br>第三十~第三十五「女性 第六巻第一号」プラトン社、1924(大正13)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,971 字 · 246 页

青空文庫

松塘が長句に曰く「去年正月尋君時。手挈杉田梅一枝。今年春又君問我。衝門先覚香風吹。担来繁蕊如人白。一堂照映坐為窄。」〔去年正月君ヲ尋ネシ時/手ニ挈グ杉田ノ梅一枝/今年春又君我ヲ問フ/門ニ衝ヒテ先ヅ覚ユ香風ノ吹クヲ/担ギ来ル繁蕊人ノ白キガ如シ/一堂照映シテ坐ラ窄シト為ス〕云々。

二月十九日枕山は松塘と共に房州を発して江戸に還った。松塘は江戸よりはるばる京都に赴きその師梁川星巌に見えんことを欲したのである。松塘が西遊の途に上った後枕山は古河に遊び初夏家に帰った。その頃の作に「飲酒」と題する五言古詩一篇がある。枕山は年いまだ四十に至らざるに蚤くも時人と相容れざるに至ったことを悲しみ、それと共に後進の青年らが漫に時事を論ずるを聞いてその軽佻浮薄なるを罵ったのである。「憶我少年日。距今僅廿春。当時読書子。風習頗樸醇。接物無辺幅。坦率結交親。儒冠各守分。不追※(「糸+丸」、第3水準1-89-90)袴塵。今時軽薄子。外面表誠純。纔解弄文史。開口説経綸。問其平居業。未曾及修身。譬猶敗絮質。※(「火+玄」、第3水準1-87-39)成金色新。世情皆粉飾。哀楽無一真。