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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

日本陸軍はドイツ陸軍に、その最も多くを学んだ。そしてドイツのモルトケ将軍は日本陸軍の師表として仰がれるに至った。日本陸軍は未だにドイツ流の直訳を脱し切っていない。例えば兵営生活の一面に於ても、それが顕著に現われている。服装が洋式になったのは、よいとしても、兵営がなお純洋式となっているのは果して適当であろうか。脱靴だけは日本式であるが、田舎出身の兵隊に、慣れない腰掛を強制し、また窮屈な寝台に押し込んでいる。兵の生活様式を急変することは、かれらの度胆を抜き、不慣れの集団生活と絶対服従の規律の前に屈伏させる一手段であるかも知れないが、しかし国民の兵役に対する自覚が次第に立派なものに向上して来た今日では、その生活様式を国民生活に調和させることが必要である。のみならず更にあらゆる点に、積極的考慮が払われるべきではないだろうか。

軍事学については、戦術方面は体験的であるため自然に日本式となりつつあるものの、大戦略即ち戦争指導については、いかに見てもモルトケ直訳である。もちろん今日ではルーデンドルフを経てヒットラー流(?)に移ったが、依然としてドイツ流の直訳を脱してはいない。