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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

日露戦争はモルトケの戦略思想に従い「主作戦を満州に導き、敵の主力を求めて遠くこれを北方に撃攘し、艦隊は進んで敵の太平洋艦隊を撃破し以て極東の制海権を獲得する……」という作戦方針の下に行なわれたのである。武力を以て迅速に敵の屈伏を企図し得るドイツの対仏作戦ならば、かくの如き要領で計画を立てて置けば充分である。元来、作戦計画は第一会戦までしか立たないものである。

しかしながら日本のロシヤに対する立場はドイツのフランスに対するそれとは全く異なっている。日本の対露戦争には単に作戦計画のみでなく、戦争の全般につき明確な見通しを立てて置かねばならないのではないか。これが私の青年時代からの大きな疑問であった。

日露戦争時代に日本が対露戦争につき真に深刻にその本質を突き止めていたなら、あるいは却ってあのように蹶起する勇気を出し得なかったかも知れぬ。それ故にモルトケ戦略の鵜呑みが国家を救ったとも言える。しかし今日、世界列強が日本を嫉視している時代となっては、正しくその真相を捉え根底ある計画の下に国防の大方針を確立せねばならぬ。これは私の絶えざる苦悩であった。

陸大卒業後、半年ばかり教育総監部に勤務した後、漢口の中支那派遣隊司令部付となった。