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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

関東軍に転任の際も、今後とも欧州古戦史の研究を必ず続ける意気込みで赴任した。特に万難を排しナポレオンの対英戦争を書き上げる決心であった。しかし中耳炎病後の影響は相当にひどく、何をやっても疲れ勝ちで遂に初志を貫きかねた。漢口駐屯時代に徐州で木炭中毒にかかり、それ以来、脈搏に結滞を見るようになり、一時は相当に激しいこともあり、また漢口から帰国後、マラリヤにかかったなどの関係上、爾後の健康は昔日の如くでなく、且つ中年の中耳炎は根本的に健康を破壊し、殊に満州事変当時は大半、横臥して執務した有様であった。

かような関係で族順では遂に予定の計画を果し得なかったが、しかし陸大教官二個年間の講義は未消化であり、特にデルブリュックの影響強きに失し、戦争指導の両方式即ち戦争の性質の両面を「殲滅戦略」「消耗戦略」と命名していたのは、どうも適当でないとの考えを起し、この頃から戦争の性質を「殲滅戦争」「消耗戦争」の名を用いて、戦略に於ける「殲滅戦略」「消耗戦略」との間の区別を明らかにすることにした。

「殲滅戦争」「消耗戦争」の名称を「決戦戦争」「持久戦争」に改めたのは満州事変以後のことである。