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さいしゅうせんそうろん

最終戦争論・戦争史大観

石原 莞爾

石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』。同一底本的分册已合并为一书。收入:最終戦争論、戦争史大観。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,783 字 · 305 页

青空文庫

昭和四年五月一日、関東軍司令部で各地の特務機関長らを集め、いわゆる情報会議が行なわれた。当時の軍司令官は村岡中将で、河本大佐はその直前転出し、板垣征四郎大佐が着任したばかりであった。奉天の秦少将、吉林の林大八大佐らがいたように覚えている。この会議はすこぶる重大意義を持つに至った。それは張作霖爆死以後の状況を見ると、どうも満州問題もこのままでは納まりそうもなく今後、何か一度、事が起ったなら結局、全面的軍事行動となる恐れが充分にあるから、これに対する徹底せる研究が必要だとの結論に達したのであった。その結果、昭和四年七月、板垣大佐を総裁官とし、関東軍独立守備隊、駐箚師団の参謀らを以て、哈爾賓、斉々哈爾、海拉爾、満州里方面に参謀演習旅行を行なった。

演習第一日は車中で研究を行ない長春に着いた。車中で研究のため展望車の特別室を借用することについて、満鉄嘱託将校に少なからぬ御迷惑をかけたことなど思い出される。第二日の研究は私の「戦争史大観」であり、その説明のための要旨を心覚えに書いてあったのが「戦争史大観」の第一版である。第三日は吟爾賓に移り研究を続け、夜中に便所に起きたところ北満ホテルの板垣大佐の室に電灯がともっている。