轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

乱れを感じた。そうすると、

「勝負」

といって、一座を見まわす女の張りのある声にも、眼にも、なんとなし、わざとらしい、詐術めいたいろが看取される。

金五郎は、どきっとして、槍の眸で、女の手元を睨んだ。直感は誤まっていなかった。おどろいた金五郎は、狼狽する気持で、立ちあがった。躊躇しては居られなかった。

「ちょっと、壺ふりの姐さん」

と、女を呼んだ。

「あたしですの?」

「そうです、すみませんが、ちょっと、廊下まで……」

満座の不審そうな視線のなかを、二人は、廊下に出た。

雨ははげしくなっていて、竹林の奥のどこかで、滝のように、水の流れる音がしている。

「なにか、あたしに?……」

「姐さん、壺笊を取りかえて下さい。インチキはいけません。わたしが気づいたからよかったものの、他の客に知れたら、大変なことになります。相当にうるさい親分衆がいますから」

女も、多くを聞かなかった。

「わかりました」

青ざめた顔で、一言いったきり、くるりと廻転して、盆茣蓙にかえった。

どうも、変なので、はじめは、骰子に仕掛けのある道具賽を使っているのかと思った。しかし、眼を金盥にしてみて、壺笊の一部が巧妙に偽装してあって、外から中の殻子の目が読めることがわかったのである。